【おすすめ読書】人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
人間が無意識に判断してしまう「錯覚資産」についての本です。 錯覚資産がどういうものなのか、それによってどんな誤った判断をしているのかということについて。そして、それに踊らされない、使いこなすにはどうすればいいのかといったことが書かれています。
錯覚資産
なにか一つでもいい部分があると総合的に良いものだと判断してしまい、他の部分の判断にも影響しています。 この判断について脳の中では無意識に行われており、普通は気づくことができません。 都合の悪い情報は無視されるか、勝手に書き換えられてしまっています。できるのであれば、錯覚に惑わされずに論理的に考えて判断できるようになるべきです。
ブランドや信用といったものにはこういった錯覚資産が含まれています。ただし、ブランドや信用のない人がこのことを発信しても相手にされません。
地位とか役職にもこの効果があり、偉い人の言うことは正しいと思いがちです。本当にそうなのかはしっかり考えるべきです。こちらも、役職がない人がこのことを発信しても相手にされませんね。
運に左右されずに成功する優秀な人
優秀だから成功したのだと普通なら思います。しかし、実際にうまくいくかどうかの原因は運の要素が大きく、実力が占める割合はそれほど多くありません。 昔から優秀だった人が成功したのではなく、成功した人は昔から優秀だったと記憶が書き換えられている状態です。
そして優秀だったという記憶と、成功したという錯覚資産によっていろいろな部分に下駄を履いたような状態になります。そのことにより、色んな面で優秀な人に見えてきます。
結果を見てから、その原因や過程を想像しているという状態です。
コントロール欲
人間は何でも自分のコントロールできる状態にしたいとう欲があります。欲がうまく満たせないときは、さまざまなところに影響が現れますが、むりやりコントロールできている状態だと思い込んでしまうこともあります。
または、コントロールできなかったことから目を背けて、コントロールできていることだけ取り上げて、うまく行っているト思い込むこともあります。
判断が困難な時、思考を放棄してデフォルト値を選んでしまう
難しい判断を行う時、人間は考えることを諦めたくなるそうです。その結果、デフォルト値の方を選択することが多くなります。「現状維持」は一番メジャーなデフォルト値です。ですので、現状維持の選択肢は錯覚の下駄を履いていると思ったほうがいいです。
ただし、常に現状維持とは逆の選択をすればいいわけではありません。論理的に選択肢を分析して選択を行うことが正しいあり方です。考えるのをやめてそのままを選んでいる時や、なかなかうまく行かない環境から脱出できないときは考えてみたほうがいいかもしれません。
難しい判断のときこそしっかり向き合い、考える癖をつけたいです。
無意識が認識を捻じ曲げてしまう
無意識が自分でも知らないうちに、認識をかえてしまいます。
「地位や名誉なんて役に立たない」と言う人は、たいてい地位も名誉も持っていない人です。どうしても手に入らないので、地位や名誉に対する認識を捻じ曲げることで自分自身を納得させています。
このことを人間は無意識にやっています。自覚がないことがとても危なく、間違った判断を取ってしまう原因になります。
このことは、現実を変えることで達成するとこを目指す意識を持つことで、変えられるかもしれません。他にも、周りの人の手を借りることなどで、達成できることもあります。
感情ヒューリスティック
好きなものはメリット大・リスク小と判断してしまい、嫌いなものはメリット小・リスク大だと判断してしまいます。 メリット・リスク・好みのどこか一つでも変化すると、他のパラメータもそれに引っ張られて勘違いしてしまいます。これを利用することも、錯覚資産の利用になります。
メリットを伝えるためには好きになってもらうことが重要です。
うまく生きるためには
主張するときは一貫して片寄ったストーリーを語る。そのほうが説得力がありおもしろくなります。何事もいろいろな面を持っているはずですが、それらの情報を全部知るとややこしくなります。 一方の面だけを強く語ることで、聞きやすく説得力のある内容になるわけです。
しかし、それとは逆に自分の人生の選択の場合は、徹底的に正しい判断をすることにこだわるべきです。多面的な情報をしっかり聞き分け、論理的に選びましょう。自分の内側と外側を分けて、判断を二重化する必要があります。錯覚資産を使いこなすためのコツです。
おわりに
以下、脳が判断する際の性質です。どれも無意識にやってしまうので自覚することがあまりないです。まずはこのことを知り無意識の存在に気づくことが重要です。それを利用して、錯覚資産を築きあげていくことが成功の秘訣のようです。
- 一貫性を求める
一貫しているものが好きで、一貫していない場合は記憶を書き換えて一貫だったようにする。 - 原因を求める
原因があくまでも運であっても、原因を無理やり作ってしまう。運以外の何かを重要視したい。 - 結論を急ぐ
データが足りなくても、それが全てだと思い込み結論を出す。 すぐに思い出せないデータは、なかったものとしてしまう。 デフォルト値を選んでしまう。