【おすすめ読書】ライト、ついてますか 問題発見の人間学
問題の本質を発見することに着目した本です。問題の解き方ではなく、正しい回答を得るために必要な問題の本質を発見する方法といった感じでしょうか。
なんだか回りくどい言い方に聞こえますが、問題解決に挑むに当たって重要なことです。問題を解決したつもりが全く解決していなかったとか、思うように行かなかった、ということであれば何かしら参考になる考え方があります。
問題の取り扱い方についてもあります。解決してから後悔することや、解決することで別の問題が生まれることもあります。その原因や回避方法などが書かれています。
おもしろいエピソードとユニークな挿絵によって、面白く読みやすいものになっています。 それほど量はなく愉快な挿絵も多いのでさくっと読める本です。
問題とは、望まれた事柄と認識された事柄の間の相違
問題に対して回答する前に、逆に問を行うことで以下を考えます。 そのための参考になるような教訓がこの本にはたくさん載っています。
- 何が問題なのか?
- 問題は何なのか?
- 結論は何なのか?
- 何を解いているのか?
- 誰の問題なのか?
- どこからきたのか?
- 本当にそれを解きたいのか?
問題に飛びつく前にこれらを考えることで、より真の問題にたどり着けるはず、というものです。 このリストはとても参考になります。問題を定義するタイミングで、毎回振り返って読み直してみるのがいいと思います。
ライト、ついてますか
タイトルの言葉は中盤に出てくるエピソードです。 解答があまりにも難解で、これでは解決できないとき。解決方法そのものは簡単な操作で各人の頭の中にあることでした。なので、必要な場面・タイミングで問題を思い出させることができればよかった。
長々と解決方法を示すのではなく、気づいていない問題を思い出させることにした。というものです。 問題を正しく捉えることで、思ったよりも簡単に解決ができたというエピソードです。
設計者や意思決定者が責任を追っているはずの問題を体験していないこと
偉い人や、管理する人が問題に対してなかなか動かないのはこういった理由があるようです。 利用する人たちは問題の存在をはっきりと認識しているのですが、管理する人や責任を持っている人はそれを利用しておらず、問題に気づいていません。そのため、解決への意欲が低く優先度も低くなります。
問題はどこから来たのか
問題を自然や運命から来たものとして捉えてしまうことがあります。自然のルールだからどうしようもないとか。 この場合は、あまりに遠くてどうしようもないと感じる、または自然に意志はないので制御もできないと感じてしまいます。
実際には自然が原因でないことも多く、自分自身に原因があることもあります。大きすぎてお手上げに感じていた問題に限って、意外と解決が自分自身の中に存在したということです。
そういった問題についても気づくことができます。
おわりに
問題解決に挑む際の心得であったり、真の問題を探すための良い指針になります。 タイトルからはあまり感じないかもしれませんが、有名な本でありとても参考になることが多いです。
エンジニアでもデザイナーでも、タスクの本当の目的やゴールを正しく捉えることができると、より活躍できそうだと思います。