変化を創る『企画書は、手描き1枚』
企画書を作る際のノウハウやコツの本です。プランニングや企画のノウハウが詰まっており、企画書の作成と言うよりはそこに至るまでの頭の使い方などに関連する内容です。
タイトルの通り手書き1枚の企画書をおすすめしており、実際の企画書を作る際の考え方などもたくさん書かれています。「1枚でしかも手書きで書け!」という内容よりも、「こうすればいい企画が生まれる。」といったことについての内容が多い印象です。副題になっている「感動型プランニング術」という言い方がわかりやすいかもしれません。
著者は企画書には個性が大切で、発案者の個性をより強く持たせるためにも「手書き1枚」を推薦しているようです。 企画書は会社やプロジェクトごとに規格が決まっていることもあると思います。上司や顧客の好みや指示もあると思いますので、無理に手書き1枚にするのがいいとは思いません。ですが、企画書作る上で頭の整理や内容の精査を行うために、手書き1枚に書き起こしてみることはとても意味があると思います。
時代が求めるクリエイティブのあり方や人物像についての考察もあります。
時代が求めるクリエイティブ
まず、以下のような人材を企業は必要としています。この人でないとだめだと思わせることが出来れば大成功です。
- 課題解決できる人
- 広い領域で知恵の出せる人
- 夢のあるイメージを描ける人
- 仕組みを作りスタッフを引っ張っていける人
悩みの本質を見つけること、問題の根っことなることをしっかり見つけられるかどうかが、本質的なアプローチにつながります。 それらは、ゆくゆくはすべてがブランドにつながるような取り組みであることを意識しましょう。
変化を創る
約束や制約を打ち破り、新しいルールを作っていくようなオリジナルな考えかたが大切です。変化に合わせるのではなく、「変化を創る」意識です。そのためのヒントとなる姿勢が書かれていました。
- 何でも興味を持ち、結びつける好奇心
- 現場へ赴くフットワーク
- 知識を集めて異質な組み合わせを作る
- 五感をフル活用して、知るよりも感じる
- 曖昧な世界を論理的にロジック化する
- 社会的な争点を意識する
- テクノロジーの進化が創造性を刺激する
- オープンな考えでコラボレーションする
- 全体との関連を見る、総合的な視点
- 相手の喜びを自分の喜びにする
プランニングの原則
課題の本質を見抜くこと、何をすべきかのコンセプトを創造すること、解決策のアイデアをまとめること、この3つのことを発見することが企画書に必要な要素です。
何をどう伝えるのか、WhatとHowの2軸での捉え方を鍛える必要があります。 他とは異なる個性的なアイデアを創造することで、他と差がつきます。個性そのものがアイデアなので企画書にフォーマットなどあるはずがなく、より自分らしさが出るものを選択すべきです。
企画書の作り方
企画書の中に自分の顔となるような印象があるでしょうか。そうでなければもっと自分を表現してもいいはずです。企画書では自分の個性を使って他と差をつけることが重要です。より顔が見えるようなアイデアを持っていくことで、あの人に頼みたいという印象をもたせたり、うまくいったときのことを思い出したりできるはずです。
おわりに
手書きで作ることの効果や、アナログに紙に書き出すことの意味などが書かれており、どれも納得するようなものばかりです。著者の手書きの企画書も実際に掲載されていますので、大いに参考にないると思います。図解化している部分やイラストで伝える部分、タイトルなどのコピーライティングの部分など、参考になるところが多いです。
何でもかんでもコンピューターで作るのをやめて、一度手書きの企画書なんかを作ってみるのも面白そうです。次にアプリやシステムを作るときは一度やってみようと思います。