よいUIを生み出すフローとは『UI デザイン』
UI/UXデザインを行う上でのチームでの取り組みの進め方を説明した本です。
UIのサンプルやパーツ実装の紹介ではなく、UIデザインを行う上での勘所やフローなどについての本です。
特長としてはチームでの取り組みが基本となっており、プロジェクト内でUIデザインを行うことの意味、より良いUIを作るための取り組み方が主な内容です。
エンジニア・デザイナーとUIデザイナーの立ち位置や関わり方なども書かれており、チームビルディングやプロジェクトの設計フェーズの進め方などの参考になると思います。
チームにおけるUIデザイナー
UIデザインをカイゼンするに当たって、いくつか需要なことを感じました。以下その所感を記載しています。
- ユーザーへの実体験の調査 この本でも1章を使用してユーザーインタビュー・ユーザーテストに関する情報が書かれています。 どんな前提で取り組むのかといったところから、どんな質問を誰にするのかといったところまで詳細に描かれています。
クライアントへのヒアリングやすり合わせはもちろんですが、実際に使用するユーザーの感じている課題や問題についても、しっかり聞き出す能力が必要です。デザイン能力だけでなく、実際に聞き出すコミュニケーション能力や分析・理解する能力なんかも重要だと発見がありました。
始めるには小さなところから始めるのが良いそうです。最初は友達や社内の他メンバーなどから始めるのでも十分意味があるようです。実際のインタビューフローや質問の例なども書かれているので、これから取り組む方にとってはとてもいい内容です。
- 他職種との連携 エンジニアやデザイナーとの担当範囲の切り分けであったり、お互いに助け合うべき場面なども説明があります。みんなで考えることがUIの改善には重要だそうで、それぞれのエキスパートが協力しあって始めて良い方向にたどり着けます。UIデザイナーの領域は結構広く、さまざまな場面で出番が回ってくると思います。設計時のプロトタイプ制作はもちろん、要件定義または開発でも役目があるでしょうか。作業でいっぱいいっぱいにならないように、ほか職種の方との協力や進め方の相談なんかは重要だと感じます。
UI設計
設計段階で必要になるプロトタイプ制作のコツなんかも大いに書かれています。デザインシステムの定義・作成方法や利用方法、他にもそれらを活かしたチーム単位での進め方などもあります。
大きなところで言えばツールの紹介もありますし、プロジェクトでのルールの決め方なども参考になるものが多いです。基本的に概念の説明ですので、具体的にどうするのかと言った答えは書いてありません。各環境で話し合って最適なものを探しましょう。チームでより良くするための取り組みを開始して、継続することがUIデザインの肝でした。
おわりに
全編通して、UIデザインの小手先のテクニックではなく、プロダクトやサービスの目指すべき場所の定義から、そこにたどり着くまでの各メンバーとチームの取り組み方法についての説明でした。
これらの内容を実現するには長い時間と、根気強い取り組みが必要です。チームでの認識合わせや意識の共有が重要になることは間違いなく難しさもありそうだと感じました。UIデザイナーはもちろんですが、その周りで一緒に働くマネージャーやエンジニアなんかにも内容を共有して、一緒に取り組みを進めていけると良さそうです。