Honmushi blog
2019/06/06

新しい時代のUI/UX『融けるデザイン』

インターフェイスのデザインや効果について考察している本です。

ハード・ソフト・インターネットの重ね合わせで変化していく現代において、UIデザインの領域や意味は大きくなっています。 この時代に沿った新しい設計論や情報を紹介している本でした。 UI/UXに興味がある人にはとても興味が持てる本だと思います。クリエイティブなデザインとは少し違っており、技術的なことやテクノロジーの話が多いです。

UI関連の情報や技術は外国の後追いになっている印象が大きいのは確かです。 著者はそんな日本のエンジニアとデザイナーをターゲットに、インターフェイスの本質を考えてほしいそうです。与えられた技術やメディアの中でのデザインではなく、新しい手法からデザインすること。新しいインターフェイスを作っていくことを目指したいという思いがありました。

フラットデザインとスキュアモーフィズム

フラットデザインはメタファを持たないデザインが特徴、単色に近いUIコンポーネントを利用している特長。メタメディアであることを活かそうとする意志がある。 一方スキュアモーフィズムは現実席兄ある模様や質感を再現したものであり、そのままメタファとして取り入れることで操作感や空気を利用者に知らせていた。

見た目上のデザインの違いとして体格に取り上げることもできるが、大きな差異はメタファの有無となります。電子世界・デバイスでの体験を、現実世界の体験に似せることで表現するのではなく、電子世界ならではの表現や体験を与えることを考える必要があるようです。宇宙に新しい物理法則を見つけるようなイメージなのだと思います。

透明性

道具として意識しない状態のことを透明性と呼ぶそうです。

ハンマーは見れば何に使うのかがわかりますし、実際に使う際には使い方を意識しなくても使えるようになっています。それは手に持って使うときには体の一部となっているような状態です。体の一部であれば質量も0。これを透明な状態と呼ぶそうです。ハイデガーの「存在と時間」とかに書いたあった表現だと思います。 このような身体の拡張となるような道具、そんな考え方をコンピュータやデバイス・ソフトウェアも考えていく必要があるようです。

マウスカーソル

当たり前のように利用しているマウスカーソルについてもさまざまな考察がされています。そもそも、舌の要素によってカーソルの形が変わることや、操作性・できることなど、ほぼ説明なしでも私達は理解して使いこなしています。そういう意味では透明性は高く、身体の拡張としての意味が強いです。

スマホになるとカーソルは無く、タップで操作することになりました。これに至るまでもさまざまな実験や試作があったのだと思います。デバイスの変化によって道具も変わりますし、それらの意味するものも変わっていきます。実験や思考を繰り返して、人間が道具として使いこなせるような体験を探していくことはとても重要なことだそうです。

自己帰属という概念とその状態について理解し、意識しながらさまざまなUIを見る読むしていくことが、UIの設計に必要な能力なのかなと思います。そしてそれを言語化して説明できるようになっておくのが良さそうです。ヌルヌル動くとかサクサク動くとか言いますが、そのような表現も感じたことそのものなので大切にするべきです。

こんな人におすすめ

UIデザインを考える人にはとりあえずおすすめです。UI表現の意味であったり評価の方法などが解ると思います。UI/UXはに興味を持っている人はぜひ読んでおくといい本の一つでした。

関連書籍が多く紹介されていますので、それらについても目を通すといいです。UI/の勉強を行う上での入り口として優れている本だと感じました。

おわりに

どんなデバイスも人間から見れば、目に入っているのはUI表現の部分であり、UIでの体験がそのままそのデバイスでの体験となります。

UI部分のみで感じ方が変わってしまうため、全体の印象も大きく変えてしまうことになります。逆に言えばUIの表現を旨くコントロールすることができれば、全体の完成度を向上させることができると言えるかもしれません。

操作すること、表示するところ、デバイスと人間の情報のやり取りを司る所であるUIについて、もっと詳しくなりたいと思いましたし、色々作って実験してみたいと思いました。

モノとして感じるときの身体との関係性、モノを持ったときの自分との距離のようなものについて、普段から意識できたらと思います。

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