【おすすめ読書】売れるゲームのUI/UX 制作現場の舞台裏
有名なゲームのUI/UXの紹介・分析をして、それらの作成秘話の・ようなものを集めた本です。 実際に開発・デザインを行った人へのインタビューなどもあり、同じようにゲームをか作っている人にとっては参考になると思います。 ゲームとは関係ない業界の人でも、UI/UXの勉強として参考になる点は多いです。
UXなどの観点としては、ゲームのように達成するとご褒美をもらえることや難易度を決めることは、さまざまな分野に応用できると思います。 UXの勉強としてゲームから参考になるものは多いので、とても勉強になりました。
UIの分野についても、コンシューマーゲーム・スマホなどのモバイルゲーム・アーケードゲームと複数の形態のゲームについて取り上げられています。それぞれの物理的・利用者目線での制約は異なっており、それらに同対応するかといったことが考えられています。この辺の実装方針やデザインの考え方はWEBデザインやその他UIデザインの勉強として役に立つと思います。
UI/UXの基礎知識
設計するにあたり必要な基礎知識の紹介です。それぞれのデバイスによる物理的な制約のことや、利用する傾向が多いユーザー層の説明などが主な要素です。
利用者の年齢層や性別などのデータも載っているため、とても参考になります。それぞれどんな人なのだろうかといった考察も書かれているので、すぐにでも役に立つのではないかと思いました。
利用者のニーズをしっかり捉えること、「どうやって伝えるか」よりも「何を伝えるか」をしっかりと考えることが重要だそうです。これらは広告のクリエイティブ業界でしばしばいわれていることであり、それがゲーム業界でも同じように大切な要素となっています。
UI/UXデザインのヒント
さまざまなゲームのUI/UXが取り上げあられています。 「にゃんこ大戦争」や「モンスト」「FF14」など有名なゲームが名を連ねており、それらのデザインにおけるラフ案や検討プロセスなどを知ることが出来ます。
9つのゲームを取り上げているので一つ一つはそれほど深くありませんが、異なるデバイスのゲームを取り上げているため、制約による考え方の違いなどを知ることが出来ます。一つを深く知るのではなく、広く浅く知ることが出来ます。
開発初期のデザインなど、普段見ることは出来ない情報もちらほら載っています。そこから、さまざまな検討改善を経て今のデザインにたどり着いています。検討時のプロセスやボツ案など、UI/UXデザイナーにとっては良い教科書になります。意識すべき点や工夫など学べる点ばかりでした。
デモプレイやインタビュー、問い合わせ・ご意見など、実際に遊んだユーザーの声をしっかり聞いてみるということも大切だそうです。やっぱり実際に遊んでくれるユーザーの声が、一番改善すべき点に近く、その影響は大きいそうです。ユーザーの声に耳を傾けるということの大切さを知ることが出来ます。
おわりに
UI/UXのこれからの話として、「AI」のことや「VRデバイス」などについても触れられていました。 新しいプラットフォームやデバイスが出てくるたびに、それらに適応したUI/UXが求められます。
さまざまな制約やニーズを捉えてデバイスにあったUI/UXをつくる、そのために必要な考え方やプロセスが詰まった本でした。 事例はすべてゲームのものですが、ゲーム以外のプロダクトにも取り入れられる考え方が満載でした。 ゲーム業界の人はもちろん、それ以外でもUI/UXについて勉強したいという人であれば大いに参考になる本だと思います。