【おすすめ読書】メイキング・オブ・勉強の哲学
以前紹介した「勉強の哲学」という本の作成秘話みたいなものです。
作者は「勉強とは何か」ということを哲学を参考にして分析しました。その時の出版までの執筆や、さまざまなイベントでの自らの気づきなどについて書いた本です。実際に行われたトークイベントの内容を編集して書き起こしているそうです。
勉強に関する本を出版する際のさまざまな取り組みが、それもまた勉強になったそうで、そのことを公開するための本です。
出版という普通体験できない行為で得られる経験が書かれています。読んでみると、こんなふうに思っていたのかとか、大変だったんだろうなあとか、おもしろそうだなあとか様々な感想が湧いてくると思います。
巻末には書籍を書く中で残していた多数のメモや資料の写真が掲載されています。作者の頭の中が垣間見えるので、ぜひ目を通してみると良いです。
以下私がオススメの部分について書いています。気になった方は「勉強の哲学」も合わせて読んでみることをおすすめします。とてもおもしろい本です。
勉強のテクニック
勉強のメタゲーム
複数のジャンルの勉強を並行して行うことで、多角的に物事を見れるようになります。そうしたある意味メタな視点が、より深い理解や発展につながるそうです。
しかも、自分の享楽的な好奇心を元にして、メタなジャyンルを選択することにより、独自のメタゲームをつくることが出来ます。そこでは、他人との競争などは存在せず、自分自身の気の赴くままに勉強することになります。他人との競争に疲れることもなければ、上限やゴールもないのかもしれません。とてもおもしろい取り組みだと感じました。
複数の言語を学ぶ
慣れ親しんだ言語以外を学ぶことで、全く異なる環境に飛び込むこととなり、新しい経験ができるようになります。もっと言えば、古い言語、すなわち「失われた言語」などを学んでみるといいそうです。結構難しいそうですが、たしかにおもしろいかもしれません。
文学の勉強
文学の勉強には、感受性を豊かにするということの他にも、ある言語体型から別の言語体型に移動する際の移行可能性を鍛えるエクササイズになるのではないか。
社会学には社会学の言語体型があり、他の学問を学ぶときにはそれを一度すてて、新しい学問の言語体型に飛び込むことになります。その時の受難な言語の切り替えや学習に、文学の勉強は役に立つのではないかと言うそうです。
おわりに
全編通して哲学の用語や名前が出てくるので、難しい印象があります。しかし、メジャーなものも多く、調べていくとより理解が深まります。哲学に興味を持つための入門書としてもいいのではないでしょうか。引用の出典なども書いてありますし、この本から哲学を始めとする他の学問への興味をふくらませることができると、とてもいい勉強になるように思いました。