デジタルへ移行する本『ぼくらの時代の本』
著者がブログに描いていたエッセイをまとめて翻訳したものです。著者はデザイナーであり開発者でもあるそうで、ブックデザインなんかにも実際取り組んでいます。
そんな著者による、電子書籍が活発になりつつある時代の本についてのエッセイです。
海外での実状もわかりますし、開発者でもあるためデジタルについての技術の紹介や説明が詳しいです。もちろん小難しい話になりすぎないように、わかりやすい言葉を使って説明してくれているので、デジタル書籍技術の入門としてもいいと思います。
デジタルに期待する
著者はデジタルな本について期待を持って語っています。 もちろん紙の本にも多く触れているのですが、デジタルな書籍ではまた異なった体験ができることをたくさんの例で示しています。
便利なのは間違いないですし、さまざまな技術が用いられることで、より応用的な利用もできるようになると思います。
電子書籍の現状についても説明があり、現在の課題なども考えています。著者個人が思う悩みなどもあります。 形がないことや輪郭がないことなど、その特長を示しており、その部分については実際に取り組みを行うことで彼なりの回答を探してみたようです。
電子書籍の発展には色んな考え方があると思いますが、私は楽しみに思っています。いつでも読めたり、重たくなかったり、場所も取らないなど、良い点はいっぱいあります。でも、やっぱり紙の本の方が好きかなあ。なんでなんでしょうか。電子書籍は新しい読書の体験として、これはこれでおもしろいものになるはずです。私も未来の本に期待しています。
電子書籍をめぐる環境
販売しているプラットフォームや、読む際のデバイスなどについても考察しています。Amazonを始めとする電子書籍サービスはいくつもありますが、選択肢があるがゆえに互換性が無く困りますよね。
電子書籍のデータもPDFだったりHTML形式だったりいろんなものがあるようです。何か統一した形式が生まれるといいですが、難しいのかもしれません。それぞれいいところと悪いところがありますし。
購入した電子書籍も、あくまでもデータを見れるだけで、手元に残るわけではありません。いつの間にか更新・変更されることもありますし、何らかの原因で配信停止・閲覧停止の状況になることも考えられます。
さまざまな可能性があるのでなんとも言いにくいのですが、好意的に捉えられるか分かれるところです。 何かこう、仲良くできる選択肢があればいいですけどね。難しいのでしょうか。考えてみたいです。
おわりに
これからの時代の本について、デザイナー・開発者として考えてみたという内容でした。
本読む人にはそれぞれの読み方があるので、人によって捉え方は異なると思います。本が読み手に届くまでにはたくさんの人が関わっており、その人たちの立場によっても捉え方は異なると思います。嬉しい人もいれば嬉しくない人もいると思います。難しいことだとは思いますが、これからの電子書籍が発展する時代に、本とのうまい付き合い方が見つかるといいと思います。